電子書籍


1戯画バイトの遺言(japanese)

〜パラノイア・ブルース:エピソード1

亜紀号純

The One GB Will(english)

〜paranoia blues  : episode1

Aki Goujun


Amazon 〔内容紹介〕から

 核戦争が間もなく始まると思われる20世紀末、僕はタワーマンションの最上階に引きこもって、今、流行りの「遺言DVD」を製作している。
 そんな中、何の脈絡もなくアイリスという見知らぬ女性が部屋を訪れる。彼女は自作のオリジナル詩集『1戯画バイトの遺言』というDVDを買ってくれと言う。僕とセックスをするなら買ってやるという条件を提示したら、意外にもあっさりと承諾した。
 行為の後、彼女のDVDをパソコンで読もうとして驚いた。冒頭に書かれてある事が、僕が製作している遺言DVDと同じなのだ。それを発見した途端、パソコンは暴走を始め、部屋中に電子のカケラが飛散する。
 気を失ってソファで倒れていた僕が目覚めたとき、冷蔵庫の上に一人の女性が腰掛けて僕を見下ろしていることに気がついた。
 よく見るとアイリスかと思えば、冷蔵庫の上の彼女は自称「天使」ならぬ「電子」だと言う。しかも腰掛けているのではなく、わずかに宙に浮いている。
 そんな彼女が、戸惑う僕に向かって語り始める。実は僕はここに越して来て数ヶ月後にマンションのベランダから飛び降りて死んでいて、核戦争も間もなく始まるってことを。そして「時」もすでに世紀末ではなく、21世紀になっていることも。
 受け入れ難い時空を超えた不条理に満ちた彼女の話がさらに続く中、僕は冷蔵庫にしまってあるはずの飲みかけのコーラに「現実」を求めて、必死に床を這いながら冷蔵庫を目指す。しかし救いを求めるも、それは悪あがきのようだった。
 なぜなら、やっとたどり着いた冷蔵庫を開けて見ると、そこには栓を抜いたはずのコーラが僕の知らぬ間に新しく生まれ変わっていたからだ。僕は耐え難い虚無感の中で、遠近感覚も形状認識も崩れ、想い出も展望も消えて、僕のあらゆる意識が世界と乖離し始めたことを認識した。
 そしてついに、世界の構造が把握不能となり、僕がいったい誰なのか、それさえもわからなくなって、百年か千年は続きそうな混沌が始まった。

 

15分で読める短編サイコ小説。
※この書籍には11点のカラー画像(挿絵)が含まれています。
※実在の固有名詞や、実在を模した団体名などが登場しますが、それらにまつわる話は概ね作者の創作です。
※読書中の作者のオススメBGM(あるいはエンディングソング)は「The Chainsmokers」の “Bloodstream” か、「Nacho Sotomayor」の “Don't Do Anything” あたりでしょうか。

『1戯画バイトの遺言〔 The One GB Will 〕』の挿絵。       illustrations in the novel  "The One GB Will".



コンピアスはどこへ行った?

亜紀号純

Amazon 〔内容紹介〕から

「不眠症の夢」を見続けた僕は、実際は眠っているのだが全く眠っている感覚がない。そこへパパモンタスという謎の生物がやって来て「不眠症の夢」はウィルスのように世界に蔓延し、「現実世界と夢の世界が反転しつつある」という。気がつけば僕は時空を超えた法廷に立ち、コンピアスという常に自分の意識下にあった謎の存在に裁かれている。そして「自分」は過去にも未来にも異次元にも存在し、全てが「リンク」している事実を知る。やがて宇宙歴七〇五年、180歳を迎えた僕は特殊部隊の一員として過去の地球へ調査へ行くも、ここでもコンピアスに翻弄されるのだ。



柔らかな憂鬱

亜紀号純

Amazon 〔内容紹介〕から

 福岡の実家で母が死んで、親父が一人になった。そして親父も体調を崩してしまった。東京でフリーランスの雑文書きやデザイナーの真似事をして生活していた僕は、その手の仕事ならば福岡でもネットなどを使ってこれまで通り東京の仕事が出来ると判断し、三人兄弟の末っ子ではありながら、そんな親父と暮らすべく東京を離れて福岡に引越した。
 しかし考えは甘かった。次第に仕事がなくなり、いつの間にか半失業状態になってしまったのだ。
 その上、頑固者の親父との二人だけの暮らしは精神的にあまりに窮屈だった。僕は彼との何かと対立する日々を、『阿Q正伝』の阿Qのように精神的勝利を収めることで乗り切ることにした。
 そんな閉塞状況の中、親父は僕に医学部の再受験を強く勧めるようになる。というのも長男の宗一郎は医師になったはいいが、親父の期待していた医師像とはかけ離れた生き方をしていて(生命保険会社の外交医のアルバイト)、昔気質の親父にしてみれば、裏切られたという思いが強かったからだ。
 最初、父の提案を全く相手にしていなかった僕だが、ある晩、見てはいけない、あってはならないとんでもない事態に遭遇して親父に対する気持ちが一変する。そしてこれまでの親父への割り切れない思いが吹っ飛び、「もしかしたらアイツ、とんでもなく、イイ奴じゃないのか」なんて考えてしまって、その後の僕の人生は大きく変わった。



小説画 画集  芥川龍之介編 I

亜紀号純

詳細は[Graffitied Novel]のページを御覧ください。



マルクスと仲間たち(日本語版) / Marx & Company(english version)

亜紀号純

詳細は[manga]のページを御覧ください。